謹上再拜礼拜掛間くも畏き大日本豊葦原水穂の國六十餘州に跡を垂鎮り坐す
大小の神儀神世に五代の尊神天孫降臨供奉三十二神式内式外案上案下三千一百三十二神殊には
宮中に奉祭鎮靈八神を始守護鎮り座す靈神洛中洛下山上山下伊勢内外兩宮攝社末社別ては
當國氏の神當所産神の冥道靈場を奉動請招祓申清申の形状は精進の誠を致と雖も
緣に觸不慮の穢氣不浄行觸來觸目借口借愚意にして犯すらん所の不信懈怠不浄等の咎祟有て唯今祈祷奉る所の妨と成可らんをば祓申清奉靈現に依て諸の不善不吉罪事をば
他方萬里の外へ荒鹽の鹽の八百道の大海原に祓ひ退け此座へ請招し奉る八百萬の諸の神等
天の磐戸を押開き天の八重雲を伊豆の千別に千別て高山の末短山の末に登座て
高山の伊穂理短山の伊穂理を掻別て所聞食と稱辭竟奉る辭別て申さく
古に八鹽開闢の始 國土の浮れ漂ふ事譬ば猶水の上に浮べる油の如干時
天地の中に一の物生れり 則神と成る 國常立尊と申奉
次に國挾槌尊 次に豊斟淳尊 次に宇比地邇尊須比邇尊 次に大戸道大苫邊尊 次に面足尊惶根尊
次に伊弉諾尊 伊弉冊尊 是を神代の七代と申奉る
次に神在天照皇大神 次に正哉吾活々速日天忍穂耳尊 次に天津彥火瓊々杵尊 次に彥火々出見尊
次に彥波瀲鷀鷀艸葺不合尊 次に神月本磐余尊 從是八百萬の大神現在す
故國を神國と云道を神道と云ふ天照皇大神 次弟の神 月讀尊 蛭子尊 素戔嗚尊と申奉
其外五行御神五鎮神八百萬の神中にも主宰て守給ふ
神御光天に座す宵の明星は根裂神 雨の神 雷の神 晴天十二時に光座す神なり
天地に所在萬民を濕玉ふ御神木の神は句々廼馳命 火の神は軻遇突智命 土の神は埴山姫命
金の神は金山彦命 水の神は水速女命 草の神は萱野姫命又は野槌尊
大海原を主宰給ふは瀬織津姫速秋津比咩神 五穀の神は保食神稻蒼魂命
衣服を織始給ふは拷播千々姫命 家を作始給ふは手置帆負命彦狭智命
風の神は級長戸邊命級長津彦命 山の神は大山祗命
往來を守給ふは岐の神 船を守給ふは船玉の神 壽福を守給ふは太田神
門を守給ふは豊磐間戸命櫛磐間戸命 罪祟を祈祓給ふは神直日神大直日神
病を療し給ふは大巳貴命少彦名命 武勇を守給ふは經津主命武甕槌命
智慧を守給ふは恩兼命 器物を作始給ふは石凝姥命
如比諸の神達萬物を主宰玉ひて蒼人草を養育し給ふと恐美恐美申す
神代遺れる風儀妙にして舊の義理を云者也凡一國に總社として主宰守玉ふ大神宮中の神を始め
諸國に宇志波伎座す神達彌集ひに集ひ彌諮りに諮り玉ひて 天下の公民を夜の守日の守に守恵み幸へ玉へと恐美恐美も拜み奉る